離島が抱える食料と電力系統の課題
南西諸島では、夏季になると暴風雨をもたらす台風が頻繁に襲来するため、露地栽培では塩害が発生し、ハウス栽培では被覆資材の破損が問題となります。夏季以外でも、時化が長く続くことがあり、島内の野菜生産や島外からの物流が不安定となり、生鮮野菜が不足して価格が高騰します。とりわけ離島では、電力の需要量と供給量が共に小さく、大規模系統と接続していないため、電力需要変動の影響を受けやすくなります。近年、脱炭素化に向けて離島にも風力発電や太陽光発電(以下、PV)等の再生可能エネルギー(以下、再エネ)の導入が行われておりますが、導入量が増えると出力変動が大きくなるため、火力発電などによる調整が追いつかず、電力品質を保つことができなくなる恐れがあります。この電力系統の問題解決には、供給側だけでなく、需要家側においても系統柔軟性の確保が重要です。