電化厨房のメリットと食のIoT化
電化厨房のメリットは、「3C+P」と表現されます。具体的には、機器からの発熱が少ないため厨房内の温度が上昇しにくい(Cool)、燃焼排ガスがなく清掃性が高い(Clean)、温度や調理時間の設定や管理がしやすい(Controllable)、調理手順のマニュアル化がしやすく生産性の向上(Productivity)が図れることです。近年では、厨房施設内の機器の運転情報を一元的に集約して、保管や配信を可能とするIoTシステムの運営がなされている事例もあり、電化厨房の優位性は高まると期待されます。
業務用電化厨房の従来の換気設計は、国土交通省監修の「建築設備設計基準(通称:茶本)」に基づいています。電化厨房は調理に伴う燃焼がないため建築基準法上の火気使用室には該当せず、機器からの発熱も少ないので、換気量が低減できる可能性を以前から指摘されていました。業務用電化厨房の換気量は排気フードの有効開口面の風速(面風速)が0.3m/s以上が一般的ですが、これは燃焼厨房と同じ換気量で電化厨房の長所が生かされていませんでした。