【火力発電所における腐食の問題】
石炭・石油火力発電所のコア部分であるボイラの水冷壁管・過熱器・再熱器のボイラチューブ(ボイラから熱を取るために管内に水蒸気が流れている。)は高温かつ硫化水素等の腐食性ガスを多く含む過酷な環境条件下にあり、硫化腐食・溝状腐食・高温酸化による減肉(厚みがなくなってしまうこと)が問題となっています。
減肉によりボイラチューブに穴が開いてしまうと発電所が停止せざるをえず、この場合、修理が完了するまで発電を停止する必要があります。
従来の対策としては、管の交換、溶射、肉盛り溶接などを施すといったものがメインでした。しかし、これらは発電所や施工箇所の規模にもよりますが、高いコストと数十日単位の長い施工期間がかかります。
定期点検の期間が短いほど発電所を効率的に活用できるため、短期間での保守・補修が求められています。