横須賀地区 無着霜冷凍冷蔵ショーケース、電気自動車(EV)空調システム
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研究内容のご紹介

無着霜冷凍冷蔵ショーケース、電気自動車(EV)空調システム

アクティブ湿度コントロールによる革新的なヒートポンプ技術

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ヒートポンプ技術とは

ヒートポンプは空気中などから熱(ヒート)を集め、低温部から高温部へ汲み上げて(ポンプ)移動させ、大きな熱エネルギーとして利用する技術のことです。電力は熱を運ぶ動力として使うため、少しの電力で大きな熱を利用することができます。ヒートポンプ技術はエアコンやエコキュート(CO2冷媒HP給湯機)などの家庭用から、電気自動車(EV)などの空調機や冷凍冷蔵ショーケースなどの産業用まで様々な場所で利用されています。

ヒートポンプの仕組み

ヒートポンプ技術を進化させるアクティブ湿度コントロール

湿度の変化は人々の健康や、安全に大きな影響を与えるため、快適な暮らしには湿度をコントロールすることが必要です。エアコンであれば、湿度が高すぎるとカビやダニが発生し、乾燥し過ぎるとウイルスや菌が活発になり健康へ悪影響を及ぼします。また、車や電車など乗り物の空調であれば、湿度が高く気温が低い日は、車のフロントガラスが結露して曇ることにより、安全運転を阻害することが懸念されます。

そこで、ヒートポンプ技術に湿度コントロールをプラスして、基本便益の向上と新しい価値の創出を目指しました。アクティブ湿度コントロールとは、何らかの方法で人工的に湿度を調節(除湿・加湿)することを指します。当所では、吸着剤に着目しました。湿度コントロール技術の利用によって、ヒートポンプは熱だけではなく水も運べる機械となります。現在ヒートポンプ技術が使われている空調や冷凍冷蔵ショーケースなどに応用できる技術です。

アクティブ湿度コントロールにより熱も水も運べる、進化したヒートポンプのコンセプト

無着霜冷凍冷蔵ショーケース

冷凍冷蔵ショーケースは、空気の中の水分が凝縮し、零度以下になると霜となり冷却器の表面に付着(着霜)するため、定期的に霜を除去(除霜)しなければなりません。一般的にはヒーターによって霜を溶かすので除霜の際に庫内温度の上昇と共に電気消費量が増加してしまいます。また、除霜水はドレインから排水されますが、ドレイン皿から水が溢れる場合があり、これを防ぐため従業員が水捨てをする手間が掛かります。
この問題を解決するために、庫内冷却器の吸い込み空気をアクティブ湿度コントロール技術(吸着剤を塗布した熱交換器:塗布熱交)によって除湿することを考えました。除湿された乾燥空気が庫内冷却器へ送ることで、冷却器に霜がつくのを防ぐ無着霜冷凍冷蔵ショーケースの実用化を目指しています。

無着霜冷凍冷蔵ショーケースの仕組み

電気自動車(EV)空調システム

空調面から見た電気自動車(EV)の特徴としては、エンジン排熱が無いので暖房用熱源が無いことと、暖房に電力を使用するので暖房時の航続距離が低下することが挙げられます。EV空調システムにヒートポンプ技術が採用され、暖房用熱源が確保されたことで暖房時の航続距離が改善されました。しかし、ガラス防曇のための外気導入は、車内加熱負荷の増加を招き暖房の電力使用量が増加することや、室外熱交換器(室外熱交)に着く霜を除去するため電力を消費してしまいます。

当所考案システムは、従来のヒートポンプ式空調システムの室内熱交換器(室内熱交)のうちの1枚を吸着剤塗布熱交換器(塗布熱交)に変えるだけで「熱」も「水」も運べるようになり、塗布熱交の水搬送によってフロントガラスの曇りを防ぐことができます。塗布熱交で内気を除湿、外気導入が不要となり、車内加熱負荷を低減させることで約20%の省電力になります。

また、塗布熱交の吸着熱による室外熱交の除霜を実現しました。除湿過程で発生した吸着熱を利用し除霜するので除霜用電力を約90%削減します。その結果、暖房時の航続距離低下が改善されました。従来のヒートポンプ式空調システムでは暖房無しの時の7割まで低下していた航続距離が、8割に改善されています。

 

研究内容を詳しく知りたい方は、こちらよりお問い合わせください。

 

電気自動車(EV)車内空調システムの仕組み

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