- 分野
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- 需要家サービス分野
- 研究目的
- 空気採熱ヒートポンプの省エネ・快適性向上技術の開発
空気から採熱して加熱(給湯・暖房など)や冷却(冷房・冷凍冷蔵など)を行う各種ヒートポンプについて、ユーザは更なる省エネと快適性向上を求めています。 そこで当研究所では、無着霜システム*1や潜顕熱分離空調システム*2を新たに考案するとともに、システム実現の鍵を握る水分吸着剤塗布熱交換器の吸着・脱着特性の把握と課題の探索、空気採熱技術に関する知見の蓄積を行っています。
本試験設備は、様々な空気熱交換器の基本特性(空気側熱伝達率など)、着霜・除霜特性(着霜時間や除霜エネルギーなど)、吸着・脱着特性(吸着時間や脱着温度など)を把握する基礎試験設備です。これらの諸特性に影響を及ぼす運転条件として、空気の温・湿度や風量などがあり、本設備ではこれらを幅広く変化させる試験が可能です。
*1:空気温度が約5℃以下になると、空気中の水分が熱交換器の伝熱菅・フィンの表面に結露して凍結(着霜)します。霜は、冷媒が空気から採熱する際の熱抵抗となり、空気の流れの障害物にもなります。よって、霜がある程度成長したらこれを融かす除霜運転が必要となりますが、加熱のためのエネルギーを消費するとともに、除霜運転中は暖房運転や冷凍冷蔵運転が停止します。当所考案の無着霜システムは、水分吸着剤を塗布した空気熱交換器の利用や冷媒・空気流路の工夫などにより、省エネと暖房感向上が期待できます。
*2:当所考案の潜顕熱分離空調システムは、室内空気の湿度制御(除湿・加湿=潜熱処理,水分吸着剤塗布熱交換器の利用)と温度制御(冷却・加熱=顕熱処理)を、一つのヒートポンプサイクル内の異なる熱交換器で個別に行うことにより、省エネと快適性向上が期待できます。