- 分野
-
- 火力発電分野
- 研究目的
-
多種火力発電用燃料の燃焼特性の評価
低品質燃料の高度燃焼技術の開発
燃焼を対象とした数値解析技術の高度化
わが国の微粉炭火力発電所では、これまで品質の良い瀝青炭が主に用いられてきましたが、今後、石炭の安定調達および石炭価格の増加の抑制を図る上では、低品位炭などの炭種の拡大が重要です。また、CO2排出削減のためのバイオマス燃料の導入も進められています。このような燃料の多様化に対応するため、火力次世代燃料高度燃焼試験装置では、2つの火炉(石炭燃焼量:100kg/h&5kg/h)を活用して、燃焼技術の開発を進めています。石炭燃焼量100kg/hの火炉においては、低品位炭を中心に、バイオマスや廃棄物を含めた固体燃料の粉砕・燃焼特性および環境対策物質の排出特性などを評価すると共に、低品位燃料が利用可能となる燃焼技術についても開発することが可能となっております。また、酸素燃焼や多種液体燃料の燃焼性評価ができる機能を有しています。
一方、石炭燃焼量5kg/hの火炉においては、レーザ等の高度計測装置を導入して、燃焼場のガス流速、温度およびガス組成などを高精度に計測することが可能となっております。この計測結果を基に、種々の燃料の燃焼現象を詳細に解明し、燃焼数値解析技術の一層の高度化を図ります。これにより、合理的な燃焼試験条件の選定や燃焼装置のスケールアップ工程の縮小などができ、効率的な研究開発を可能にします。