1. ノースカロライナ州
ノースカロライナ州は東海岸のちょうど中ほどに位置する州で、「ノース」とつきますが地理的には南部アメリカに属します。毎年10月にはここで大気環境研究に関連する大きな国際学会(Community Modeling and Analysis System: CMAS)が開催されるため、これまでにも何度か訪れたことがある場所でした。実際に住んでみると、四季は明瞭で、年間を通じた気温の変化は首都圏と似たような印象を受けました。ただし日較差は大きく、夏季の日中は30℃を超えても夜間の気温は20℃くらいまで下がるので、日本のような寝苦しい夜というのはありません。ノースカロライナ州は、人口は1000万人弱ですが、面積は12万6千㎢(日本の約1/3)もあり、とてものびのびと生活できる場所です。赴任先のノースカロライナ州立大学(図1)は州都のローリーにありますが、高層ビルが並ぶのは州都中心部の一部くらいで、郊外の居住地域は一歩外に出るとリスに遭遇するような自然にあふれた場所です。次に述べるように、ローリー周辺は学術研究都市として著名な地域であり、集中して研究を推進するのにとても適した場所だと感じました。